2005年10月07日

実録ビザ取得への道 その14

起業シリーズの続編であるが、前回、今後各ビザについての説明を行うとの予告を行った。しかし前回も書いたように、ビザ関 連の法律は変更や情勢の変化も多く、なまじ素人の知識で解説するのは大きな危険がある。また、各ビザの説明も具体的に必要な人以外には退屈なものだ。そこ で、予定を変更してこれからおよそ1週間に1回のペースで私のビザ取得の体験記をお送りすることにする。

97年10月、某T自動車のエンジニアとしてロサンゼルスのテクニカルセンターに駐在員として赴任することになった。初めての海外暮らしに期待と不安が入 り交じった心境だった。当時私は、ただのMac好きの会社員。米国で暮らす楽しみの一つに、Mac環境が充実しているのではないかという期待があった。な にしろ、カリフォルニアと言えばMacの故郷。コンピューターショップのMacコーナーは充実し、しかも日本と比べて格安ではないかとの期待があった。と ころが期待は大きく裏切られることになる。確かにその数年前までは、Mac関連品の内外価格差は大きかった。ところが、この頃には主要商品の内外価格差は 消滅していた。また、当時はちょうどジョブズがAppleに復帰する頃。つまり、Appleが最もひどかった時期だ。コンピューターショップのMacコー ナーも悲惨で、日本よりもひどい有様だった。

そんな状況で見つけた楽しみが、コンピュータースワップミート。週末に開催される、コンピューターのフリマだ。Apple の凋落が激しかった頃だけに、この頃のスワップミートはMac関連品が多数出ていた。ちょうど日本ではOld Macブームが盛り上がっていた頃で、日本で高値で取引されていたSE/30なども格安で販売されていた。もちろんジャンク扱いなのだが、現物の販売なの で外観の良いものだけを選ぶことができ、なかなか良い買い物ができた。
そうやって、SE/30, 128K, Plus, IIci, Portable, GSキーボードなど、どんどんコレクションが充実していった。そうなってくると余分に買いすぎたものも出てくる。そこで、現副社長が作っていた個人HP 「YumikoのMacな部屋」で個人売買を行うことにした。大体、Mac好きの旦那とMacに理解のない奥様という家庭が多いようだが、うちの場合はむ しろ逆だった。最初にMacに興味を持ち、MacのHPを作ったのも副社長(奥さん)。私はどっちかというと、副社長につられてこの道にはまっていったの だった。
そういうわけで、HP上に個人売買コーナーを作って、余ったSE/30やパーツなどを販売してみた。米国からだけにそれなりに送料もかかるわけだが、反響 は大きかった。当時まだネット通販もそれほど盛り上がってはおらず、また秋葉原等に行けない地域の方々は、Old Macブームと言ってもなかなか入手が困難だったのだ。
大きな反響に気をよくして、スワップミートでは出物があるとどんどん買い付けていった。そうすると、売り手の人達もこれは良いお客だと思ってくれて、単な る客ではなくなってくる。スワップミートではなく、売り手の倉庫に直接出向いて大量に購入なんてこともするようになってきた。何だか、プロの仕入れみた い。これはもしかすると、商売として成り立つかも知れない。そんな風に思ったのは、ロサンゼルス赴任後1年ほど経った頃であった。

続く


vintagecomp at 07:13│Comments(0)TrackBack(0)起業 

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