2006年06月08日

ジム・カールトン著「アップル」上下を読んでみた4

アップルこの本は、98年の時点からAppleの過去を取締役会で何が起きていたかという視点で書かれた、ドキュメンタリーストーリーです。もうかなり古い本ですが、古本屋にあったので、上下巻とも購入し読み終えました。
著者のジム・カールトンはウォールストリート誌の記者で、入念な取材を基にこの本を執筆したことが伺えます。スティーブ・ジョブズがスカリーに解任される辺りから、iMac登場までのストーリーです。一般に伝え知られることの更に奧の部分を覗くことができ、大変楽しめました。ただ、数多くの人が登場し複雑な内容だけに、アップルの歴史を十分理解していないと、面白くないかもしれません。
このように古本として旬を逃して本を読むことのおもしろさの一つに、答え合わせができることがあります。この本の最後は初代iMacの登場場面。スティーブ・ジョブズの講演を聞いている最中、ジム・カールトンはこれは大ヒット間違いない、これでアップルは救われると感じたと書いています。ところが、冷静になって考えるとiMacがそれほどヒットするとは思えない。ジョブズは、復帰後優秀な経営者であることを証明してきたが、彼を持ってしてもアップルがかつての栄光を取り戻すのは不可能だろう。と結んでいます。
ご承知の通りこれは大間違いで、講演直後の彼の直感の方が正しかったわけです。しかし、この本で書かれている、取締役会での放漫さと優柔不断に満ちた経営で屋台骨がガタガタになっていたアップルの実情を深く知っていた著者故に、希望の光も真の物とは思えなかったのかもしれません。アップルが過去最高売り上げを達成し、iPod とiTMSで再び世界を変えるなんて、あの時点ではやはり誰も想像できなかったですよね。
あれから8年、
ジム・カールトン氏は続編を構想中でしょうか?



vintagecomp at 07:30│Comments(0)TrackBack(0)Apple Topics 

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