2019年04月23日

Apple Watch 心電図機能とiOS 12.2 続報2

Apple Watch Series 4の心電図機能は、iOS 12.1.1-12.1.4では米国版のApple Watchを用意すれば問題なく利用可能でした。ところが、iOS 12.2になってからは対象国外(日本等)では、ペアリング後の設定で「この地域では使用できません」と表示されてしまいます。
この状況は、こちらこちらで解説しています。 

弊社のiPhoneに日本のお客様のApple ID情報を登録し、設定後日本へお送りすれば、そのまま使用できるのではないかと考え、お客様に協力いただき検証して見ました。 残念ながら、ペアリング後の設定で「この地域では使用できません」と表示されてしまい駄目でした。
今回、そのApple WatchとiPhone(iOS 12.2)を両方米国にお送りいただいて検証してみました。

まず米国内であることの確認ですが、これまで携帯電波の位置情報でチェックしているというのが有力視されていました。それは、12.2ベーター時の以下の表示の穂情報が流れたためです。

ECG



















SIMが必要で、airplameモードでは駄目なことが表示されています。携帯電波が必須ということでしょう。しかし、これには疑問を持っていました。正式版では表示が変わったためです。

ECG3








正式版では SIMやairplameモードについては、表示されていません。何らかの変更があったのでしょう。

そこで、まずは日本から送ってもらったiPhoneにSIMを入れないままペアリング、設定を行ってみました。その結果、問題なく心電図機能が有効になりました。設定の際は、ネット環境が必要なため、Wi-Fiは使用しています。おそらく、位置情報サービスを利用していると思われます。位置情報サービスは、GPS と Bluetooth (いずれも利用可能な場合)、Wi-Fi ホットスポットと携帯基地局の位置情報のクラウドソーシングデータベースを利用して、デバイスのおおよその位置を割り出します。

このiPhoneとApple watchを再度日本のお客様に返送しました。今回は再ペアリングも必要ないわけですから、まず大丈夫と思われますが確認できるまで断定はできません。結果、無事日本でも心電図機能が利用可能でした。

iOS 12.2でも、一旦米国内で設定を済ませれば、引き続き心電図機能が使用できることがわかりました。ただし、別のiPhoneに替えてしまうと使用できなくなってしまいます。
現在も、Apple Watch Series 4の購入代行は好評ですが、心電図機能を利用するためには以下、いずれかの方法を取る必要があります。

1. iOS 12.1.1-12.1.4で設定を行う。設定後は、12.2にアップデートしても問題ない。
2. 米国内で、iPhoneとともに設定を行う。

iOS 12.2にしてしまった場合、米国内への持ち込みが必要になってしまいます。 なんとか日本でも使用できるようにするサービスを始めたいと思っていましたが、普段使用しているiPhoneを送っていただく必要があり、残念ながらハードルは高いですね。

vintagecomp at 08:55│Comments(9)Apple Watch 

この記事へのコメント

1. Posted by 名無し   2019年04月28日 23:32
SIMなしで突破できるのなら、APの設定変更だけで何とかなりそうですね。
要は地図アプリとかで現在地がUSとか香港になればいいだけですから。

もちろん、AppleWatchは対象国のシリアル番号が必須なのは変わりませんが。ステンレスモデルだと技適がなぁ…
2. Posted by hikawa   2019年05月02日 00:27
前記事「Apple Watch 心電図機能とiOS 12.2 続報」のコメントにあった、S.I.さんの投稿が気になっております。同一Apple IDを用いて、初期化済みの別のiPhone(iOS12.2)に問題無く移行できたという話です。同一iPhoneでなくてもApple IDとSIMが一緒なら大丈夫なのではないかという話でした。

希望的観測ですが、初期設定時にSIMのICCIDから国コード(81)やキャリアコード(100 or 200 or 300)を取得してApple IDにひも付けておき、次回の初期設定時に情報が一致していたら位置情報の確認をスキップしているのではないか、という推測を持っています。

これだと、日本のSIMを挿した状態で最初に位置情報チェックを突破すれば(一番簡単なのは米国にいることでしょうか)、次回以降は日本のSIMが刺さっていれば位置情報チェックをスキップできることになるため、日本にいても初期設定が通り、都合がよいですね。
3. Posted by てきさん   2019年05月03日 15:18
セルラー無しのGPS版なら、日本で設定しても大丈夫なのでしょうか?
4. Posted by Muto@VC   2019年05月04日 02:23
名無し様
APの設定変更で、地図アプリとかで現在地を偽装可能なのでしょうか。
位置情報サービスのアクセスポイントの位置は、携帯電波で決定していると理解していました。アクセスポイントの近くで、スマホ等がアクセスポイントを認識するとその近くにがアクセスポイントがあることがわかります。複数のデーターが集まることで、より正確にアクセスポイントの位置を決定できる仕組みです。
5. Posted by Muto@VC   2019年05月04日 02:27
てきさん様
iOS 12.1.1-12.1.4でwatchOS 5.1.xが条件です。
iOS 12.2, watchOS 5.2以降では日本で設定できません。
6. Posted by 名無し   2019年05月12日 15:29
>APの設定変更で、地図アプリとかで現在地を偽装可能なのでしょうか。

できますよ。厳密にはBSSIDの偽装ということですね。
iPhoneからSIMを抜き、かつ衛星との通信も微弱になる屋内で、かつ他のAPの電波をなるべく拾わないような環境下で、例えば香港ロケーションとしてDBに登録済みのBSSIDのAPを1台用意すればいいだけです。

ただ、この手法で(開放国シリアルの)AppleWatch4のECGが日本国内で開放できるかどうかは別ですが。
米国やヨーロッパで既に開放されているので、挑戦者は非常に少ないのだと思います。がんばってください。
7. Posted by Muto@VC   2019年05月14日 03:19
確かにこの方法だと行けそうですね。

> 香港ロケーションとしてDBに登録済みのBSSIDのAPを1台用意すればいいだけです。

一般的には、用意するのはそれほど簡単ではないように思います。
8. Posted by 林檎好き   2019年05月14日 20:59
※複数箇所への書き込み失礼します。

Appleから新しいiOS 12.3やwatchOS 5.2.1が正式にリリースされましたが私は怖くてアップデートしていません。

現環境は、iOS 12.2とwatchOS 5.2 です。

挑戦した勇気のある方!!
豊富な知識をお持ちの方!!
日本で新しいiOS 12.3やwatchOS 5.2.1にアップデートしてもECG機能は継続利用できるのでしょうか?
9. Posted by 林檎好き   2019年05月15日 23:41
5 皆さま、お世話になります。
先程、iOS 12.3とwatchOS 5.2.1にアップデートしてECG機能の動作を確認しました。
情報をくださったmasa様、ありがとうございます!!

http://vintagecomp.livedoor.biz/archives/51996568.html#comments

iOS 12.3から、WalletとApple Payの「エクスプレスカード」設定に、AMEXカード系などの支払い用カードが設定可能になったものですから情報すごく助かりました。

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