2021年11月20日

Self Repair Service(自己修理サービス)は日本で提供されるのか?

2021年より米国で開始されると発表されたAppleのSelf Repair Service(自己修理サービス)。11/18の記事でも取り上げました。日本での開始が期待されますが、おそらく日本ではこのサービスは提供されないだろうとの記事が掲載されています。

その第一の理由は、法律上の問題。
「技適マークを付与された無線機のカバーを開けた場合、技適の認証が無効になる」ということ。 登録修理業者の場合は、分解しても技適は無効にならないが、一般の人が分解すると法律上は無効になるそうです。
これは分厚い壁かもしれませんね。この法律が改正されない限り、サービスの提供は難しいのかも。

では、Macの場合はどうでしょう。Macは携帯電波は使わないとはいえ、 Wi-FiやBluetoothを使う立派な無線機です。やはり法的にカバーを開けるのは禁止されているのでしょうか。Macの内部にメモリスロットがあった頃は、ユーザーマニュアルに交換方法が記載されていました。MacBook Pro Mid 2012の場合、メモリを交換するには、裏蓋を開ける必要がありましたがユーザーの自己作業を前提として交換方法が解説されていました。また、HDDの交換方法も解説されていました。これは立派な分解です。当時のMacの裏蓋をユーザーが開けることは、なんら問題ないと言って良いでしょう。
ただし、当時のMacは本体に技適マークがついていたわけではなく、Wi-Fi/Bluetooth カードに技適が表示されていました。ということは、技適の対象は、本体ではなくWi-Fi/Bluetooth カードということでしょうか。そう解釈すると、Wi-Fi/Bluetooth カードを分解しない限り本体の分解は問題ないと考えられます。
近年のMacは、 Wi-Fi/Bluetooth カードという形では搭載されておらず、ロジックボードに直に実装されています。当然、ロジックボードに技適マークはついていません。iPhone等と同じく、画面表示になっています。「このMacについて」>「サポート」>「大切な情報」>「法規証明書」のなかに「技適マーク」が表示されています。
私の米国版MacBook Pro 2016にも技適マークは表示されていました。ということは、iPhoneと技適の対象は本体全部でしょうか。そう解釈すると、法律上は近年のMacはユーザーが裏蓋を開けることも許されないのでしょうか。
などなど考えるとハードルは高いのかもしれませんが、これまでも法律の壁を乗り越えてAppleはサービスを提供してきたので、期待したいところです。

本件の記事で、気になったのがこの部分。法律的な話以前に、「iPhoneを分解して自分で修理するのはとても無理」、だからやめた方が良いという内容です。
もちろんある程度の技量は必要ですし、壊してしまうリスクは十分理解した上で利用すべきサービスであることは言うまでもありません。そんなことは日本でも米国でも同じ話で、Appleとしても十分配慮の上でサービスの提供を行うでしょう。それを頭からやめた方が良い、というのには大きな違和感を感じました。この辺りの意識が、実は最大のハードルかもしれません。


vintagecomp at 10:39│Comments(0)Apple Rumors 

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