2006年04月27日

「豆腐バカ世界に挑む」の出版記念パーティーに行ってきた4

雲田さん先週、元森永USA社長が書いた「豆腐バカ世界に挑む」の出版記念パーティーにお邪魔してきました。参加者は250名で、大変盛大なパーティーでした。著者の雲田さんは、昨年まで森永USAの社長を20年間務められた方で、こちらロス日系社会では有名人です。本の詳細はこちらをご覧ください。
森永と言えば、乳製品やお菓子が思い浮かぶと思いますが、森永の豆腐なんてあったっけ?と思われる方が多いと思います。実は、日本では売っていないんです。
20年以上前、森永は完全滅菌真空パックの豆腐を開発しました。防腐剤無しで、常温で1年間も保つのです。当然、日本で大々的に販売する予定だったのですが、待ったがかかったのです。これが販売されると、町の中小の豆腐屋さんが存亡の危機に関わるというのですね。分野調整法というのがあって、これが適用されると大企業は手が出せないのです。結局豆腐協会の主張が通って、森永の豆腐は日本で販売ができなくなってしまいました。そこで、森永は活路をアメリカ市場に見いだしたのです。
しかし、この分野調整法というのは悪法ですね。いきなり、中小企業がメインの分野で、大企業が画期的な新製品で進出するというのは、確かに影響が大きいでしょう。そこで、期間限定で制限するというなら話はわかりますが、20年経った今でも森永の豆腐は日本では販売できないそうですから。こんなことでは、製品開発はリスクが大きすぎて、大企業は手が出せない、その分野は発展しないとなるわけです。
さて、アメリカ市場での豆腐。20年前、既に一部の健康派に認知はされていたものの、大半のアメリカ人にとってはまずい食べ物の代名詞だったそうです。そこで雲田さんが奮闘するわけですが、本当に失敗の連続。しかし諦めずに20年、ついにTOFUは英語として普通に通用するまでに定着したというのが本の内容です。何事も、諦めずにねばり強くやるというのが肝心ですね。
興味を持った方は、ぜひご一読ください。



vintagecomp at 03:14│Comments(4)TrackBack(0)USA 

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この記事へのコメント

1. Posted by jeienne   2006年04月30日 00:10
この豆腐の話しは興味を持って読みました。イタリアでも20年近く前から、あちこちのオリエンタル食品店で売っているのに日本には無いのが不思議でした。わが家の冷蔵庫にはいつも2,3パックはあります。少々高いけど味はかなりの物ですね。こちらに住んでいる人にはかなりの人気商品です。しかしどうして防腐剤なしであんなにもつのは今でも理解できませんが。日本というのは外国商品の輸入でも汚い妨害をしていますが、国内でもこんな法があるとは知りませんでした。
2. Posted by blogjeienne   2006年04月30日 00:23
追加。
最初にあの豆腐パックを見つけた時、大変驚いたのと嬉しかったのを覚えています。日本の食材自体が不足していたというか輸入されていなかった時代で、それ以前にあったのはキッコーマンの醤油だけですが、これも日本製ではなかったと記憶しています。だからあれがモリナガのブランドで無かったら買う気にならなかったのは確かだし、その後イタリアでは中国人か韓国人かが生豆腐をあちこちで売るようになりましたがまずくて比較できないもので、今は少しだけは良くなったみたいですが。
3. Posted by Muto@VC   2006年05月01日 11:03
コメントありがとうございました。
こちらロスでは日本食も豊富で、普通の豆腐も販売されているので、豆腐らしからぬパッケージにあまり手が伸びませんでした。今回、改めて食べてみてなかなかいけますね。アメリカも広いので、津々浦々に豆腐を販売するには、これしかないと言われていました。
健康食として、以前からアメリカでは知られていた豆腐ではありますが、豆腐と言えば酸っぱい味と思われていたそうです。つまり半腐り状態で流通していたそうです。
4. Posted by Muto@VC   2006年05月01日 11:11
> しかしどうして防腐剤なしであんなにもつのは今でも理解できませんが。

パーティーで聞いたお話を。100度を超える温度で1秒間、完全滅菌して真空パックするそうです。
この温度により耐熱菌も完全に死滅し、またこの短い時間により豆腐の風味が損なわれることもないということでした。無菌が長期保存を可能にする訳ですので、豆腐工場というよりは半導体工場のような感じらしいです。

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