2015年02月06日
Radeon HD 7950の不具合事例より
4K表示にも対応した旧Mac Pro用高性能グラフィックカードと言えば、この2点です。
Sapphire Radeon HD 7950 3GB Mac Edition 74,800円
EVGA GeForce GTX 680 2GB Mac Edition 84,800円
このRadeon HD 7950、最近ご購入いただいたお客様から、不具合連絡がありました。シングルモニターではちゃんと表示するものの、デュアルモニターではセカンドモニタに表示されないという問題です。
早速返送していただき、動作確認を行いました。
確かに、デュアルモニターではセカンドモニタが表示されません。しかし、メインモニタもちょっと変。そしてシングルモニタにしても表示はされますが、やっぱりおかしい。起動後のアップルロゴが表示されず、いきなりデスクトップが表示されます。システムレポートの表示は、「Radeon HD 7xxx」。これは、PCモード特有の現象です。
Radeon HD 7950 Mac Editionには、OS X用EFI, Windows用UEFIの切り替えスイッチが付いています。このスイッチの位置を確かめても、OS X用EFIになっています。スイッチを切り替えてみましたが、やはり同じくPCモードの動作。どうやら、スイッチをどちらにセットしても、OS X用EFIに切り替わらないという問題でした。交換品をテストしてみると、ちゃんとアップルロゴが表示されますし、デュアルモニターでも問題ありません。本件、これにて一件落着です。
しかし、本件を通じて、改めて考えさせられたことがありました。以前は、Mac用のグラフィックカードでないと、Macでは全く動作しませんでした。Firmware/EFI対応が必須だったのです。そこで、PC用のカードをMacで使用するために、Firmwareの書き換えを行うというテクニックがありました。しかし、メーカーが想定しない方法で、Firmwareの書き換えを行うというのは、違法性の高いものでした。
ところがOS X 10.8以降、PC用(Windows用)のグラフィックカードでも、Mac用のドライバーさえあれば表示可能になっています。Radeon HD 7950にもPC用がありますので、PC用のカードでもMac用のドライバーが存在するため、表示可能なのです。こちらは書き換えを行わないため、違法性はありません。では、今やPC用のグラフィックカードも、旧Mac Proの有効な選択肢なのか?
私の見解としては、あまり良い選択肢ではないと思います。まず、ドライバー読み込み前は、全く表示できないわけです。アップルロゴが表示できないという気分的な問題だけで無く、実用上の問題があります。Option起動による起動ドライブの選択、「command」キーと「R」キーを押して行うシステムの復元、Apple Hardware Testによる診断、OS Xのインストールなど、表示ができず全く対応できません。
それだけでなく、今回の例のように、デュアルモニタに対応できないなど思わぬ問題が出ることがあります。PC用のカードは、Mac版とは見た目も異なることがほとんどです。つまり、GPUは同じでもハードウェアの構成が異なるわけです。従って、表示はできても想定した動作ができない可能性があります。
そんなわけで、実験的に楽しむのは面白いですが、実用上はやはりMac版をお選びいただくことをお薦めします。
Sapphire Radeon HD 7950 3GB Mac Edition 74,800円
EVGA GeForce GTX 680 2GB Mac Edition 84,800円
このRadeon HD 7950、最近ご購入いただいたお客様から、不具合連絡がありました。シングルモニターではちゃんと表示するものの、デュアルモニターではセカンドモニタに表示されないという問題です。
早速返送していただき、動作確認を行いました。
確かに、デュアルモニターではセカンドモニタが表示されません。しかし、メインモニタもちょっと変。そしてシングルモニタにしても表示はされますが、やっぱりおかしい。起動後のアップルロゴが表示されず、いきなりデスクトップが表示されます。システムレポートの表示は、「Radeon HD 7xxx」。これは、PCモード特有の現象です。
Radeon HD 7950 Mac Editionには、OS X用EFI, Windows用UEFIの切り替えスイッチが付いています。このスイッチの位置を確かめても、OS X用EFIになっています。スイッチを切り替えてみましたが、やはり同じくPCモードの動作。どうやら、スイッチをどちらにセットしても、OS X用EFIに切り替わらないという問題でした。交換品をテストしてみると、ちゃんとアップルロゴが表示されますし、デュアルモニターでも問題ありません。本件、これにて一件落着です。
しかし、本件を通じて、改めて考えさせられたことがありました。以前は、Mac用のグラフィックカードでないと、Macでは全く動作しませんでした。Firmware/EFI対応が必須だったのです。そこで、PC用のカードをMacで使用するために、Firmwareの書き換えを行うというテクニックがありました。しかし、メーカーが想定しない方法で、Firmwareの書き換えを行うというのは、違法性の高いものでした。
ところがOS X 10.8以降、PC用(Windows用)のグラフィックカードでも、Mac用のドライバーさえあれば表示可能になっています。Radeon HD 7950にもPC用がありますので、PC用のカードでもMac用のドライバーが存在するため、表示可能なのです。こちらは書き換えを行わないため、違法性はありません。では、今やPC用のグラフィックカードも、旧Mac Proの有効な選択肢なのか?
私の見解としては、あまり良い選択肢ではないと思います。まず、ドライバー読み込み前は、全く表示できないわけです。アップルロゴが表示できないという気分的な問題だけで無く、実用上の問題があります。Option起動による起動ドライブの選択、「command」キーと「R」キーを押して行うシステムの復元、Apple Hardware Testによる診断、OS Xのインストールなど、表示ができず全く対応できません。
それだけでなく、今回の例のように、デュアルモニタに対応できないなど思わぬ問題が出ることがあります。PC用のカードは、Mac版とは見た目も異なることがほとんどです。つまり、GPUは同じでもハードウェアの構成が異なるわけです。従って、表示はできても想定した動作ができない可能性があります。
そんなわけで、実験的に楽しむのは面白いですが、実用上はやはりMac版をお選びいただくことをお薦めします。
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この記事へのコメント
1. Posted by suuyan 2015年02月06日 18:18
私も同意見です。でもGTX680Maceditionでも4K@60HzのDisplayport側にはりんごマークは出ません。DVIには表示されます。起動ドライブ選択するにデュアルにしないとだめです。
2. Posted by Muto@VC 2015年02月07日 02:18
なるほど、4K 60Hzは新ドライバーで対応したものの、EFIでは対応していないということですね。情報ありがとうございます。商品情報に反映します。