2025年05月24日

Apple II Integer Basic ROM Card

以前取り上げていた気がしたのですが、調べたら取り上げていなかったので、今回取り上げます。
Appleの最初のヒット商品といえば、Apple II。諸説ありますが、最初のパーソナルコンピューターとも言われています。当時はOSが立ち上がって、アプリケーションを起動する、といった仕組みではありませんでした。電源を入れてリセットするとInteger Basic 環境が立ち上がりました。ここからプログラムを入力して実行する必要がありました。プログラムは自作したり、パソコン雑誌に掲載されているのを打ち込んだり。毎回それでは面倒なので、カセットテープにプログラムを保存し、次回はカセットテープからプログラムを読み込んでいました。正直、かなり面倒な作業が必要で、プログラマー向けといっても良かったと思います。
Apple II plus になり、大きくこの仕組みが変わりました。Apple IIとApple II plus、実はハード的にはほとんど同じです。大きな違いはROM。電源を入れると、接続されたフロッピドライブがフロッピを読み込み、(多くの場合)Apple ProDOS というOSが立ち上がり、同時にアプリケーションが立ち上がりました。(多くの場合)1枚のフロッピーにOSとアプリケーションが収録されており、ユーザーはOSについてはほとんど意識せずに利用していましたが、現在に通じる利用方法がこの時確立されたといえます。

初期のApple IIに比べ大変便利で、多くのユーザーがこの環境に移行していきました。Apple IIもROMを交換し、メモリ増強することでApple II plus 相当にすることが可能でした。

とは言え、元からのApple II ユーザーはこれまでのInteger Basic 環境のプログラムが使えなくなってしまいます。ROMを入れ替えればApple II 環境に戻せますが、ROM スロットは6個、ICチップのソケットで、交換が面倒なのはもちろん、何度も交換していると破損の怖れがありました。そんなユーザーのために提供されたのが、Apple II Integer Basic ROM Card。

IntegerBasic_01














この拡張カードをスロット 0 に挿すことで、Integer Basic とApple II plus 環境をスイッチ一つで切り替え可能になりました。あまり知られていない気がしますが、Apple IIe でも利用可能です。
今やレアカードとして、貴重になっています。

vintagecomp at 10:03│Comments(0)往年の名機/パーツ 

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